|
今週のトーナメント |
|
■国内男子 |
|
ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント! |
■国内女子 |
|
パナソニックオープンレディースゴルフトーナメント |
■米国男子 |
|
チューリッヒ・クラシック・オブ・ニューオリンズ |
■米国女子 |
|
JMイーグルLA選手権 |
|
|
トーナメントスケジュール |
|
|
|
|
|
携帯サイト「ゴルフPAR72」 |
|
|
|
|
|
|
松山英樹の歴史的な偉業 マスターズ優勝の余韻に浸る日本 / USPGAツアー2021-04-23 10:40 |
|
松山英樹がマスターズを制してから一週間が経つが、その興奮はまだまだ冷めやらない。
PGAツアーのクリス・コックス氏は「松山英樹の歴史的な偉業 マスターズ優勝の余韻に浸る日本」と題したコラムを記した。その中には、松山の偉業を熱く伝えるレックス倉本氏と小松直行氏のコメントがあった。
◇ ◇ ◇
GOLFTV Japanのトーナメント中継でお馴染みのレックス倉本氏は居ても立っても居られず、気持ちを落ち着かせるために思いついた唯一のことはパターを手にし、室内を行ったり来たりすることだった。
「ただただ興奮していました」と長年コメンテーターを務めヨーロピアンツアー参戦経験もある倉本氏は「座ったままテレビを見ていられず、パターを手にリビングルームを意味もなく歩き回り、祈り続けていました」。祈ったのは、もちろん、歴史的な瞬間である。
倉本氏や日本人男子選手はいつか自分達の中からメジャーチャンピオンが誕生することを長年夢見てきた。それだけに松山がアジア人初のマスターズチャンピオンとなった瞬間を彼らは固唾をのんで見守っていた。
「瞬きもせず、頬をつねりながら優勝の瞬間を楽しみました」と言ったのは、倉本氏と同じくGOLFTV Japanのトーナメント中継を担当する小松直行氏。「オーガスタで戦った日本人選手をすべて思い出せます。彼らの苦労や努力はあの地に蓄積されています。松山選手の勝利はその集大成のように思えます」
松山の偉業が日本にもたらす経済効果、そしてゴルフ界に与えるインパクトの大きさを正確に把握するには数年かかるだろう。しかし日本での反響を見る限り、ゴルフ界のさらなる発展は保証されたも同然。
日本の放送局は一斉に松山のマスターズ優勝を伝えた。朝の番組は連日、松山の話題でもちきり。倉本氏によると松山の愛用クラブ「SRIXON」のスタッフは最終ラウンドを見るため夜中に出勤、また松山の出身高校の生徒は授業中にマスターズを見ることを許可されたそうだ。
「首相、前首相、芸能人、アスリート、全国民が歓喜に酔いしれました。そして松山選手に『ありがとう』と言いました。私達の期待に応えてくれたことに対する感謝は日本人ならではかもしれません。その期待がどれだけ彼にとってプレッシャーだったか分かっているので。
日本のスポーツファンは大喜び。テニスの大坂なおみ選手がグランドスラムを制し、大谷翔平選手は大リーグで投打の活躍、そして今回の松山選手。松山選手にはプロ野球で長年活躍したイチローさんに続く、息の長いアスリートになって欲しいです(小松氏)」
松山のマスターズ優勝は日本のゴルフ界が受けた最初の恩恵ではないことを記しておこう。もちろん最後でもないと思うが。
日本がゴルフで初めて世界に知られたのは1957年、身長157センチで細身の中村寅吉が、伝説のゴルファー、サム・スニードを倒し世界を唖然とさせた時だ。この時、中村は小野光一と組んでカナダカップ(現ワールドカップ)で優勝。その時の舞台が霞ヶ関カンツリー俱楽部、東京五輪のゴルフ競技の開催コースだ。
中村は翌年、日本人として初めてマスターズ出場、PGAツアー優勝者の丸山茂樹や青木功、そして尾崎将司をはじめとする未来のスター達の歩むべき道を開拓したのである。
「可能性を秘めた選手は多くいたが残念なことに日本という遠い地が、多くの選手を躊躇させました。太平洋を越えるのは大変。アメリカに移り、腰を据えて一年間戦うのは容易なことではないです。でもゴルフが世界中で広まる中、トッププロと呼ばれる日本人選手も増えてきています(小松氏)」
倉本氏が好む表現「宮里藍効果」の男子バージョンと捉えるべきであろう。日本を代表する女子プロゴルファーの多くが、宮里があっという間に女子の世界ナンバーワンに上り詰めたことと同様に、宮里が高校時代にプロのトーナメントで優勝したことに刺激されプロゴルフの道を選んだという。日本の子供達にとってあこがれのゴルファーが増え続けているのだ。
渋野日向子は2019年のAIG全英女子オープンを制し、日本人女子として2人目のメジャーチャンピオンに輝き、17歳の梶谷翼は松山が栄冠を手にしたコースが舞台のオーガスタナショナル女子アマチュアで、プレーオフでエミリア・ミリアッチョを倒して優勝。
ゴルフ熱が高い日本に今後どんなことが起こるのかは誰にもわからない。小松氏は「ヒデキ」という名前の男子がかなり増えるのではないかとみており、実際に1997年のマスターズでタイガー・ウッズが優勝した後に「タイガ」という男子名が増えたのだ。
「日本プロゴルフ協会は子供達にゴルフを始めてもらおうと長年努力を続け、ファーストティープログラムに似た独自のシステムを取り入れました。松山選手はマスターズ優勝後に『日本の子供達といつかここで優勝争いできたら嬉しい』と話していました。子供達には松山選手は一日でスターになったのではなく、献身的な努力があって今があると伝えないといけませんね(倉本氏)」
松山は自身がどれだけ苦しんだか、詳細を語るタイプではない。ゴルフ以外に関してもだ。常に追い掛け回される日本のメディアからの注目を避けたくても避けられない、その辛さは相当なものだろう。
しかしダスティン・ジョンソンが松山の肩にグリーンジャケットをかけた時、言葉は不要だった。普段リアクションが少ない29歳の松山の拳は高く突き上げられた。それがすべてを物語っていた。
「松山選手はそれまで常に感情を表に出しませんでした。オーガスタナショナルで赤ん坊のように笑みを浮かべた松山選手は最高でした(倉本氏)」
松山の優勝以外に今回のマスターズで印象的だったのは、キャディを務めた早藤将太氏の18番グリーンでの脱帽一礼。それはアメリカ人ゴルフファンの心をも掴んだ。奇しくも全米でアジア系住民に対するヘイトクライムが急増という時期に。
「アメリカだけでなく世界中の人達が、大切なものや尊ぶものにも敬意を払う私たちの習慣を称賛してくれて嬉しいです。マスターズは最も『アメリカっぽい』トーナメントでアメリカのシンボル。それでも日本人はマスターズが大好きです。早藤さんの一礼は私達に『こうあるべきだ』ということを教えてくれました。松山選手と早藤さんのパフォーマンスによって人種間の垣根が低くなることを願います(小松氏)」
そうなれば松山と日本にとって良い影響を与えるだろう。
「スポーツが私達の生き方や精神に与えるインパクトの大きさを日本全体が実感しました。松山選手の優勝は日本のゴルフ界にとってポジティブな効果以外の何物でもないです(倉本氏)」
|
|
|
|
|
|
|
(c) 2024 Sportradar AG, St. Gallen, Switzerland
(c) 2024 Enetpulse Limited
(c) 2024 Kyodo News Digital Co., Ltd.
|
|
|